カレンダー売上の考察
2020年度のカレンダー販売時、Snow Manのカレンダーが軒並み予約できず重版していただけることになり、一気に話題になった
また、王様のブランチ(2020年3月14日放送)の文芸ランキングTOP10で4位にランクインしたものの、6位のKing & Princeの販売数を大きくを下回ったことで「印象操作だ」「重版芸だ」と非難されることが増えたため、今回正しい情報をまとめようと思う
①「王様のブランチ」文芸ランキングについて
情報を正しく確認する力があれば、特に問題があるとは思わないものの、どうしても「情報の表面だけ」を切り取ってしまう人が後を絶たないので、念のためここに記載しておく
画像をよく見ていただきたい
放送では、映像でランキングを紹介していたため、「6位 King & Prince」と「4位 Snow Man」という順位が大きく視聴者には見えたのだと思う
しかし、画像の赤枠を見ていただければわかる通り、『ブックファースト新宿店』のみの一定期間のランキングである
このランキングで分かることは『全体の販売数』ではなく『一定期間における販売数』である
Snow Manのカレンダーは、販売直前に本人たちのISLAND TVによる怒涛の宣伝もあり、需要が一気に高まったタイミングだったため、一時的に順位が上がったと考えられる
また、一店舗だけの情報であるという点を無視してはいけない
②2020年カレンダー売上について
2020年のカレンダー売上は以下の通りである
※「2020年上半期グッズ・マルチメディアTOP10」情報
Snow Manは重版になったにもかかわらず、King & Princeの半分程度の数字ということで、話題の割に…と言われる要因となっている
この数字について、私なりに考察してみた
こちらもオリコンで発表している数値を拾ってきた
(オリコンサイトで上手く探せなかったため、各種サイトから拾ったため、間違いがあったらご指摘いただけると助かる)
まず、パッと見て分かることは、King & Princeの初年度(2018年5月デビューのため、デビューしてから10か月後の発売)カレンダー売上は「77,369部」である
ちなみに、重版がかかったSnow Manのカレンダー(2020年1月デビューのため、デビューして2か月後の発売)は「75,458部」である
デビューしてメディアにたくさん出て、10ヶ月かけて知名度をあげた後のKing & Princeと、デビューして2ヶ月のSnow Manが同じ7万部以上であることを考えると、重版になることも納得できると思う
ちなみに同時デビューしたSixTONESは「65,597部」なので、だいたい同じくらいが初版で作られたと推察する
(Hey!Say!JUMPは3年間販売数が拾えたので、考察のための参考とする)
③カレンダー売上とFC会員増加数
②の考察は予測ではあるが、これについてもう少し掘り下げていこうと思う
上記は、2018年から2020年までのFC会員数である
(今までと同様Shogoさんのまとめた会員数を拾っている)
https:/
https://twitter.com/AraKisJump_579?s=20/twitt
②で考察したデビュー10ヶ月のKing & PrinceのFC会員数が352,000人、これに対し、デビュー2ヶ月のSixTONEが200,000人、Snow Manが230,000人の時に1回目のカレンダーが発売されている
FC会員数だけで見ると、King & Princeのほうが100,000人以上多いため、カレンダーの売上に大きく差のないSnow Manの重版は「予想以上に売れたため」であると考えることができる
続いて、会員数の増加分を表に示す
Hey!Say!JUMPとKing & Princeに関しては、前年3月からの1年の増加分を、SixTONESとSnow Manに関しては2020年3月の時の数値とした
単純な増加数で考えると、デビュー初年度とは言え、Kinge & Princeが約1年で獲得したFC会員数をSixTONESとSnow Manは約4ヶ月で近い数値まで増やしていることが分かる
(もちろん他名義などもあるので、単純な数値ではないと考える)
カレンダーの売上と、FC会員の増加数をグラフに示した
折れ線グラフがカレンダーの売上、面グラフがFC会員増加数である
King & Princeは初年度に大幅な会員増加があり、それに伴って売れたカレンダーの売上とSixTONES、Snow Manのカレンダー売上はほぼ同じような傾向があると分かる
なお、King & PrinceはFC会員の増加数こそ落ち着いたものの、2020年度のカレンダーは初年度の倍売上ているため、おそらく初年度から継続しているファンがまだたくさんいて、FC会員増加数がそのまま上乗せされて売れたものと想定できる
なお、Hey!Say!JUMPはKing & Princeに比べると少なく見えるが、デビュー初年度のグループの売上と大差ないカレンダーの売上となっており、大きな増減なく安定してカレンダーの売上が出ていることが見てとれる
④CD売上との関連
上記はカレンダー発売時期(3月)に一番近い発売日のCD売上を3月まで累計していったものである
(表の下は該当のCDタイトルと発売日)
次に、毎年3月発売ということで、念のため3月に一番近い時期に発売されたCDの売上(3月まで)を抜き出した
(表の下は該当のCDタイトル)
SixTONESとSnow Manはデビューシングルということもあり、大きな数字となっているが、これはデビューの勢いであると考えられる
Hey!Say!JUMPはだいたい一定の数値で推移していることから、③でも述べたように大きな増減なく、安定してファンがカレンダーを購入すると予測できるグループだと考えられる
King & Princeもほぼ一定の数値でCDが売れており、FC会員数の増加と前年のカレンダー売上からの期待値が高かったのではないかと考えられる
⑤考察
最後に、これまで提示してきた数字を参考に、カレンダーの販売予測を立てるとすると、おそらくHey!Say!JUMPは過去2年を見てもだいたい「6万~7万部」売れるだろうと予測するのは簡単なことである
(CD売上、FC会員数とも穏やかであり、大きな変化が少ないと予測でいる)
一方、King & Princeは初年度の「7万部」予測に対し、そこからFC会員数の増加や、CD売上の高水準での推移を考えると、カレンダーも大きく売り上げを伸ばせると考え、倍くらいの「14万部」は間違いなく売れるだろうと予測できる
(16万部売り上げていることを考えると、おそらくこれらの数字以外にも雑誌の売り上げ等で予測を上方修正していると考えられる)
SixTONESとSnow Manに関しては、CDの販売数は多いものの、デビューして2ヶ月ということもあり、話題性も含めて「6万~7万部」を予測していたのではないかと思う
(初年度のKing & Princeの売上を参照しても妥当な数字だと思う)
Snow Manが重版したのは、この「初年度」「デビュー2ヶ月」に対する期待値として予測した売上では予約もできない状況になってしまい、また問い合わせが殺到したことから重版が決まったと考えて間違いないのではないかと思う
(実際、発売直前はネットは軒並み売切れ、実店舗でもどこに電話しても予約を受け付けてもらえないという声が多かった)
重版というのは、出版業界としてはリスクが高い
初版で「売り切れない」「余らない」ギリギリの予測を立てて販売するのが、最も効率よく利益を得ることができる
重版を行うと、再印刷のためにかかるコストが発生するからである
リスクについては、私たちの身近なことでも実感できることはある
例えば、ジャニーズショップでグッズを購入するときに、できるだけ1度でまとめて購入すると思う
これは「送料」というコストを1回の支払いで済ませたいからだ
2回に分けて購入すれば、「送料」というコストを2回支払わなければいけない
重版というのは、同じように支払わなければならないコストを加味しても、利益が上回ると判断された時にかかるのであり、話題性のために重版をするというのは会社運営としてはありえない判断だと考えて間違いないと思う
昨今の電子書籍化の波に伴い、紙媒体を売ることは大変難しくなっていると聞く
そのため、出版社にとってリスクは最小限にしていくことは、会社運営をする上で当たり前の考え方だと思う
そう考えると、重版を決めてくださった出版関係者の皆さんには感謝してもしきれないし、重版までして利益が得られると見込んでいただいた雑誌やカレンダーは、できる限り売れ残らないようにしたいなとファンとして思う今日このごろである
r.com/AraKis
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